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道ゆく人誰もが二度見する

国道を闊歩する「謎のウマ」の正体とは!?

2022年5月27日更新

 いま、甲賀市で何とも摩訶不思議な目撃情報が相次いでいる。

 

「国道をウマが歩いてる」

「連れてる人がスタン・ハンセンみたいなテンガロンハットをかぶってた」

「ウマがクマを乗せている」

 

 ……???

 

 ウマが国道を歩いてる?

 英国の話?

 え? 土山町?

 

 スタン・ハンセン?

 今はハリウッド・ザコシショウのほうがメジャーなのに?(←喰いつくところが違う)

 

 ウマがクマ?

 韻踏んでる?

 ラッパー?

 

 などなど、謎が謎呼ぶ大渋滞。

 

 よし!

 直接聞いちゃおう!

 

 ということで、目撃情報を頼りに、謎のウマを探しに行ってきました!

ウマもテンガロンハットもクマちゃんも全部ホントだった……

 いた!

 さっそく見つけちゃった。

 もう少し「川口浩の探検隊シリーズ」みたいにひっぱりたかったのに……(笑)

 

 ホントにウマだねぇ……たぶんポニーかな?

 横を車がビュンビュン走りすぎていくのに、驚くそぶりもない。

 泰然自若。

 筆者なら無理だな。ビビりまくる。

 

 ウマちゃんを連れてる方に声をかけ、取材依頼をすると快諾いただいた。

 

「すぐそこなのでよければ寄ってください。もう一頭いますよ」

 

 もう一頭?

 ウマちゃん、二頭いるの?

 

 

国道を闊歩するウマの正体

 ということで、ご自宅へお伺いすると……

 ホントに二頭いるー!

 「誰?」みたいな瞳が愛くるしい♪(#^^#)

 

 では、近影をば。

大和くん(♂)
螢ちゃん(♀)

 二頭とも草食みに夢中でお顔を撮らせてくれない……(泣)

 

 んで、こちらが今回取材にご協力いただいた、大和くんと螢ちゃんの親代わりである小橋力人さん。

 心優しきナイスガイ!

自家製の馬運車に挟まれてパシャリ

 なんでも小橋さん、ウマ好きが高じて『一緒に暮らしたい』と思い立ち、まず大和くんをおうちに迎え入れたらしい。

 しかし『一人じゃさみしいだろうな』と考え、知人に螢ちゃんを譲ってもらったそうだ。

 

「正直、仲良くしてくれなかったらどうしよう……とか考えてましたけどね(笑)」

 

 いざ二頭で暮らし始めると、とても仲睦まじく過ごしているのだという。

 おっとりした大和くんにやんちゃな蛍ちゃんがちょっかいをかけて楽しく遊んでいるらしい。

 んー、カップル像が目に浮かぶ(笑)

 

 

二頭そろってイベントに呼ばれることも少なくない

馬運車まで手作りする”ウマへの愛”

 小橋さんには本業があり、休みの日に大和くんと螢ちゃんを交互にお散歩に連れて出ている。

 

 「ホントは一緒に連れてってあげたいけど、なんせ一頭100kg以上あるので……もし驚いて走り出したら、と思うと難しいですよね」

 

 そういえば、なぜ背中にクマのぬいぐるみを乗せているのだろう。

 かわいいから?(笑)

 

 「それもありますけどね(笑) 一番は”子どもを乗せること”を想定した訓練ですね。重さは違うけど、背中に誰かが乗る感覚を覚えてもらうためです。イベントなどで子どもさんを乗せることができれば、きっと喜んでくれると思うので」

 

 なるほど! 人を乗せる訓練だったのね。

 大和くんも螢ちゃんも頑張ってるなぁ♪

 

 

確かに大きさがだいぶ違う
大きいほうの馬運車内部。意外に広い
仲良く乗り込む二頭。おしりが可愛い♪

 小橋さんのウマへの愛はとどまるところを知らず、二頭の家である厩舎(きゅうしゃ)や放牧場の柵だけでなく、なんと馬運車(ばうんしゃ)まで自作してしまう熱の入れよう!

 小橋さんは「いやいや、車をちょこっと改造しただけですよ(笑)」と謙遜するが、これがなかなかの出来栄え。

 それも遠距離用と近距離用の2台あるこだわりよう!

 

 「車高が違う2タイプを用意しました。近場なら立体駐車場でも利用できる小さいタイプ、長距離を走るならウマがゆったり過ごせる大きいタイプと使い分けたりしてます」

 

 乗り込んだところを見せてもらったが、意外にすっきりとしているというか、別段狭いとは感じなかった。

 二頭が仲良く前を向いている姿は、それだけで微笑みがこぼれてしまう。

 あかん、ウマの沼に引きずり込まれそう(笑)

 

 ちなみに、これなら運転席の冷房が届くので暑さ対策もバッチリ!(生来ウマは寒さには強い)

 移動中はひたすら飼葉(エサ)を食べているそうだ(笑)

 

 

これからの”大和と蛍”

 まだ二頭とも4歳~5歳。人間でいえば20歳そこそこ。

 これから明るい未来が待っている。

 

 「毎日健康に暮らしてくれたら言うことはないですけどね(笑)」

 

 と、小橋さんは話す。

 そうは言いつつ、具体的なプランも明かしてくれた。

 

 「これまでにもあったのですが、ホースセラピーのように”ウマと触れ合うことで癒されてもらえたら”という思いはあります。高齢者の方とか、お子さんとかね。動物は人の心に癒しや安らぎを与えてくれます。何かと忙しい現代の人たちには必要な部分かもしれません」

 

 確かに、馬は数ある動物の中でも特に情緒水準が高いといわれる。ホースセラピーは馬と人との精神的・身体的交流の中で、内在するストレスの軽減や身体機能の回復などに効果が期待できるといわれているのだ。

 

 「何といっても僕自身がウマに癒されてるので(笑) その幸せを”おすそ分け”できればいいな、と思います」

 

 大和くんも螢ちゃんもとてもおとなしく、初めて出会った筆者にも怖がらず堂々としていた。

 小さな子どもや高齢者、あるいはストレスを抱えている現代人をも癒してくれる部分があるかもしれない。

 

 もし、大和くんや螢ちゃんにイベントや施設などへ来てほしい、という方がいれば、一度SNSから呼びかけてみてはいかがでしょうか?

 かわいい大和くんと螢ちゃんの写真もたくさんありますよ♪

 

 

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馬運車の取っ手部分もウマに変更済み。どこまでもウマを愛する小橋さんであった。
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