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向上心じゃない! 現状維持だ!

中高年向け「ちょいアス」のススメ

2021.04.06

「そろそろ体力的に厳しくなってきたなぁ」

 

 そんなことをちらほらと考え始めている30代以上のみなさんも多いことでしょう。

 

 考えてみりゃ、当たり前の話です。

 バリバリ動けたのは遠い昔。

 電車に乗り遅れそうになると全力で階段を駆け上がる、観たいテレビのために家までの道を走って帰る、自転車で急な坂を一気に登りきる……

 

 ああ、そんな頃もあったなぁ……

 

 はい、遠い目をしたあなた。

 このままだと衰えていくだけ……なんて不安に思っていませんか?

 

 そこで、今回の特集はこちら!

 

 「こうかぽーたる的 中高年向け”ちょいアス”のススメ」!

 

 崇高な理念などない。目的は衰えをせき止め、ちょぴっとだけ元気になれたらいいな、くらいの軽い感じ。

 そんな”現状維持”を旗頭に、毎日続けやすい運動(トレーニングというレベルではない)をご紹介したいと思います!

 

 ちなみに、ちょいアスの「アス」は「アスレチック=運動」の意。

 ちょっとだけ運動するので「ちょいアス」なのです。

 

 まずは座学から。

 いきなり動くと怪我しますから、のんびりといきましょ。

 

 強靭な体を手に入れたいからスクワット500回、腕立て伏せ100回を3セット……なんて無茶なトレーニングを身体に叩きこんでいたのは過去の話。

 今ではそういった過度な負担は膝や腰にダメージを与え、後年になって障害や後遺症を残すリスクが増加することがわかっています。

 

 その代わりに台頭してきたのが”メッツ”という考え方。

 厚生労働省の提供する『e-ヘルスネット』という生活習慣病予防の健康情報サイトでは、この”メッツ”に関して以下のような記載がされています。

 

───

 

 メッツとは運動や身体活動の強度の単位です。

 安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。

 歩く・軽い筋トレをする・掃除機をかける・洗車する・子供と遊ぶ(中強度)などは3~3.5メッツ程度、やや速歩・ゴルフ(ラウンド)・通勤で自転車に乗る・階段をゆっくり上るなどは4~4.3メッツ程度、ゆっくりとしたジョギングなどは6メッツ、エアロビクスなどは7.3メッツ、ランニング・クロールで泳ぐ・重い荷物を運搬するなどは8~8.3メッツといったように、様々な活動の強度がすでに明らかになっています。

 (厚生労働省『e-ヘルスネット』より抜粋

 

───

 

ものすごく平たく言えば、安静にしている=ボーっとしている状態を1とすると、「歩く」だけで3倍以上の運動効果があるということ。

 この”メッツ”をうまく利用すれば、しんどいトレーニングや無理な負荷のかかる過度な運動をすることなく、健康な体に近づけるかもしれません

 

 それでは、さっそく実践に移りましょう!

① 階段で「ちょいアス」

「あー、階段を上るのね……ありがちだなぁ」

 

 そう思った貴殿! 甘い!

 こうかぽーたる的提案は階段を「下りる」です!

 

 メッツ上は、階段を「上がる」……4メッツ、階段を「下りる」……3.5メッツ。

 数値的には実はそれほど変わらないのです。

 だったら、より取り組みやすい「階段を下りる」ことを目的としましょう。

 お店に行ったら上がるのはエスカレーター、でも下りるのは階段、なんてのがお勧め。

 

 余談ですが、大学教授や専門家によっては「階段を下りるほうが血糖値の改善に効果的」という説を唱えている方々もいらっしゃいます。

 

 ただし、階段は「上がる」より「下りる」ほうが万一つまづいた場合、怪我につながりやすいのも事実。

 手すりがあれば必ず手すりを持ってゆっくりと階段を下りましょうね。

② 荷物運びで「ちょいアス」

 荷物を運ぶときにも、ちょっと気をつけるだけで「ちょいアス」になります。

 それは「腰を曲げない」ということ。

 

 実は、ギックリ腰の多くは”ちょっとしたものを持ち上げるときの腰の曲げ”からきているといわれています。

 紙袋に入ったシャツの着替えを持ち上げるときに腰に電流が走ったような痛みがあり、病院で診てもらうとギックリ腰だった……なんて嘘のようなホントの話もあります。

 人は重いものを持つときに「重いこと」を覚悟しますが、軽いものを持つときは油断するのかもしれませんね。

 

 そんなときこそ「ちょいアス」!

 荷物を持ち上げるときは、たとえ軽いとわかっていても腰を曲げず足の屈伸運動を使って姿勢よく持ち上げましょう。

 こうすることで、腰に過度な負担をかけず、かつ脚部(特に大腿筋=太ももの前の筋肉)に軽いスクワットのような適度な負荷がかかり、ちょっとした筋肉運動になります。

 

 メッツは軽めの「2.5」ですが、足裏でバランスをとる動きでもあるので、体幹も少しだけ鍛えられますよ。

 

③ 植物への水やり

「え? そんなことで?」

 

 そう思う方も多いかもしれません。

 

 しかし、植物への水やりも立派な運動です。

 メッツ的には「2.5」となっており、「階段を下りる」ほどではないですが「じっとしている」ときの2.5倍の活動強度となっています。

 

 さらに、じょうろに水を汲んだり水やりのためにかがんだりする動作が加われば、さらにメッツは強化されます。

 

 きれいに育つお花とともに「ちょいアス」なんて、ちょっとトクした気分ですね。

 

④ 食事の支度(調理)

 普段、何気なくやっている食事の支度もメッツ的には無視できない数字。

 行程にもよりますが、「2.5~3.5」メッツとなっています。

 

 何だかんだで家族が多ければ多いほど準備に時間がかかるのが食事の支度。

 焼いたり煮込んだりするだけでなく、配膳や後片付けなどいろいろと手間がかかります。

 

 だけど、その分軽い運動に近い負荷がかかってると思えば少しは楽しくなるかも。

 

⑤ 洗濯物を干す

 実は「洗濯物を干す」ことも立派な運動。

 メッツとしては「階段を上がる」に匹敵する「4.0」です。

 かがんだり、手を掲げたりする行動がメッツ強度を上げているのかもしれませんね。

 

 普段から乾燥機を使っている方は、これを機会に「干す」に切り替えてみては?

 たとえば、奥さまが「食事の支度」、旦那さまが「洗濯物を干す」と役割分担すれば、時間短縮にもなって二人とも「ちょいアス」になり、一石二鳥ですよ♪

 

 いかがでしたか?

 意外に、日常の行動が軽い負荷となっていることがわかりますね。

 

 続くかどうかわからないジム通いやフィットネスプログラムよりも、無理なく身体を動かす「ちょいアス」のほうが気軽に取り組めますし、日常生活だからちゃんと続けることができます。

 

 そこのあなた!

 今日から「ちょいアス」始めてみませんか?



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